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桜は見られなかった春

 ご無沙汰しています。私は風邪をひいてしまい、2週間以上休んでいました。咳が止まらなくなり、苦しい日が続きました。咳が出ている時は、ケアの仕方をうまく伝えることができなかったので、心が苛立つ時間が長かったです。ヘルパーさんが帰る時間になっても、のどに痰が詰まり危ない状態でした。ヘルパーさんたちは帰るに帰れない状態で、「小山内さん、今日はボランティアをやってもいいですか?」と言ってくださった方もおりました。健康なときは1人で過ごせる楽な時間帯ですら、5分間でも人がいないと呼吸が止まるかもしれなくて、「帰ってもいいですよ」と言えない自分が腹立たしかったです。

 私が風邪をひく前に、ひどい風邪をひいていたヘルパーさんがいました。その人がいちばん鼻をかむのが上手く、自分のことのようにケアをしてくださったことが、とても嬉しかったです。鼻を上の方から力強くもみ、鼻水を出やすくしてくださったのです。やはりケアとは、自分の体に置き換えておこなうことが一番だと思いました。ヘルパーさんたちが、自分のことのように心配して私の看病をしてくださったことに、心から感謝いたします。

 優生保護法についてのマスコミへの対応や、新しいヘルパーさんにケアを教えたり、家に帰っても体を使う仕事をしていたので、疲れがたまっていました。「ヘルパーさんのことは疲れているから後で」と言っていたなら、新しいヘルパーさんはどこかへ行ってしまいます。すぐにケアを教える仕事をしないと、ヘルパーさんは待ってはくださいません。でも最近、新しいヘルパーさんがケアに慣れてきて、安心して体を預けられるようになったことは、本当にうれしいことです。しばらく安心して生きられるようになったので、感謝しています。

 外に出て桜の木を見ても花は散ってしまい、(今年の春は本物の桜は見れなかったのか)と、ちょっと心は折れてしまいました。でも、ヘルパーさんたちのケアが上手くなった手が、桜の花だと思いました。パッと開いてパッと心地良くしてくれる、幸せなことです。人生辛いこともあるけれど、私の風邪を引いた時間も無駄ではなかったと心から思い、人生においての宝探しの時間でした。