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愛のあるプレゼントです。

 11月11日は、『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』の映画監督である前田哲さんの講演会をおこないました。200人以上もの方が来てくださいました。会場が広かったので、(こんなに来てくださるかな)と不安がよぎっていました。しかし会場をぴったり計ったかのように、観客の方々が来てくださいました。

 私は講演会をやるときに、いつも考えていることがあります。福祉関係者はもちろんのこと、福祉と縁がないと思っている人たちにも来ていただきたいと、いつも考えています。その人たちが、福祉は誰にでも必要なんだということを感じ取ってくださるよう願っています。また私は来年になると、どんな講演会をしようかと考えて、ちょっとうつ病のようになりそうになります。今2つ考えていますが、あと1つか2つ考えなくてはなりません。しかしそんな苦しいときに、ひょっこり思わぬ人が、いちご会の事務所に現れるのです。前田さんもその一人でした。今年の2月5日に、「鹿野さんのことを聞かせてほしい」とやってきました。前田さんはとても笑顔のかわいい人であり、(この人だったら講演会をやってくださるかも)と思いました。すこし甘い声を出し「前田監督さん、講演会をやっていただけますか?」と言うと、すぐに「あ!いいですよ!僕でいいんですか?」とおっしゃってくださいました。これで私の悩みが一つ減ったのです。

 映画がどのようにしてできるか、という話は、福祉とはあまり関係のないことですが、映画の内容は鹿野さんの実話です。こんなにいい講演会はないと思いました。私はいつも、こういう種をまき、いちご会スタッフのみんなに迷惑をかけています。障がい者運動をやっているのか、イベント会社をやっているのか、わからなくなってくる時があります。でも、このことを繰り返しおこなっていかなければ、障がい者を理解してくださる方が増えないと思います。誰か面白い人と出会うことが、人々の未来への一歩だと思います。前田監督さんも、「とても苦労をして映画をやめて死にたいと思ったこともある」とおっしゃっていました。誰もが絶望する時があるのです。でも前田さんは、松竹の方と知り合い、この映画を製作するきっかけができたのだと思います。

 私は映画の中で、鹿野さん役をやる大泉さんが、テーブルの上にある赤いコップを落とし憂さ晴らししようと、細い指を動かしていたとき、高畑充希さん演じる女の子が、そのコップをつかみ思いきり床に投げつけて、「これで気が済んだ?」と言うシーンにグッときました。こんなこともステキなケアなのです。

 あとはあまり映画の内容を言うと、前田さんに叱られますから言えません。でもこの映画は、障害をもっている全ての人が言いたかったことを描いている映画です。映画をみて思いっきり笑って、思いっきり泣いてください。そして、「堂々とケアを受けて生きていってもいいんだ」と考え、少しワガママなことも言ってください。そして低い声で「ごめんなさい」と言って下さい。生きることは希望です。この映画はそれを語ってくださっています。チケットが10億円売れないと儲からないようです。皆さん、お願いですから、クリスマスプレゼントやお年玉に、この映画のチケットを買って周りにいる人たちにプレゼントしてください。このチケットこそ、心のこもった愛のあるプレゼントです。

 昨日は新しい21歳のヘルパーさんと、ゆっくり過ごしました。代休だったので、ゆっくりお風呂に入ることができました。お風呂のお湯があたたかくて、肩の痛みがとれました。(かわいいヘルパーさん、来てくださりありがとう)と心の底で叫んでいました。彼女と一緒に作ったお味噌汁を、彼女にも少しごちそうしました。「このお味噌汁、具だくさんで美味しいわ。ありがとうございます」と笑顔がこぼれた、良い日でした。

 お似合いのカップルかしら(笑)。前田さんは今独身だそうですが、何人も恋人がいるような気がします。年に何度か一緒に笑って、お食事をしたい人です。