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エレベーターは私たちの宝ものです

 G20の夕食会の場で安倍首相が「大阪城にエレベーターをつけたことはミスだった」と、ジョークで語ったそうだ。世界のトップたちの前で笑えないジョークを言ってしまったことは、安倍首相の大きなミスである。

 安倍さんは今後どこに行くときも、エレベーターを使わず階段を使い移動してほしい。エレベーターがどんなに便利が良いかわかっていないからこそ、そんなジョークが出てくるのだろう。

 1972年に札幌オリンピックをおこなった時、札幌の地下鉄ができた。しかし恐怖の階段があり、私たちが地下鉄を乗るためには、命がけで駅員さんに車椅子を抱えてもらい上り下りしなければいけなかった。ちょっと口の悪い一人の友達から、「小山内さん、地下鉄の階段から落ちて死んでくれ。」と言われた。「えっ、なんで私が死ななきゃいけないの?」と言うと、「小山内さんはちょっと有名だから、地下鉄の階段から落ちたというニュースが流れれば、あわててエレベーターをつけてくれるかもしれないよ。」と言った。私は(なるほどな…。)と深くうなずいてしまった。

 それから私たちは毎日、用事もないのにみんなで交互に車椅子で階段を上り下りした。そのうちに駅員さんたちが腰を痛めてきた。駅員さんたちは「僕たちの中にも腰を痛める人が現れてきたよ。困ったね。一緒にエレベーターをつけるための運動をやろうか。」と言ってくれた。当時の労働組合は強かったので、その意見が大きく広がった。そして私たちは安心して地下鉄に乗れるようになったのである。

 エレベーターは、障がい者・高齢者のためにだけ設置したわけじゃない。ベビーカーを押す人や重い荷物を持つ人やお酒に酔っている人など、すべての人たちのために設置したのである。東京などに行くと、エレベーターがたくさん設置されており、タクシーを使わなくても移動ができる。

 外国人の観光客は大きなトランクを持って、私の車いすを押しのけるようにエレベーターに乗る。そういう時はちょっとだけ、(このエレベーターは誰がつけたのよ!)と言いたくなるが、でもどんな人でも楽な気持ちで乗れることは良いことなのだと思う。障害があろうとなかろうと、みんなどんどんエレベーターを使ってほしい。

 安倍首相が移動する時には、黒塗りの車にばかり乗っているので、東京でのエレベーターのありがたさを知らないのだと思う。安倍さん、これからあなたが移動する時には、エレベーターを使わないで階段にしてください。そのつらさがわかったなら、おもしろくないジョークは出てこないと思うのです。世界に恥をかいたと思います。名古屋城もぜひエレベーターをつけるべきです。

 建物の設計はどんどん変わってきました。古き良きものは外見に残し、中に入るとすべてバリアフリーにすることが、これからの日本の観光地として大切なことだと思います。国民全員が首相のジョークに『待った』をかけなければいけない時だと思います。