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ほほえみ返し

 秋は大学の講義が多くあり、楽しみでもあり厳しくもあります。私は言語障がいが少しずつ重くなってきているので、学生さんたちに伝わっているかどうかが心配になります。時には職場介助者の林さんに、私が話した言葉をパソコンで打っていただき、スクリーンに表示させます。それが一番安心な講義のやり方だと思っています。でも言語障がいの言葉を一生懸命に聞こうとする学生さんたちの姿が可愛くも思えます。

 昨日は北海道医療大学に行き、講義の前に向谷地先生の部屋に入ると可愛い女子大生がいて、私が話しかけると自然に答えてくれました。そのことが嬉しくて、彼女に「札幌いちご会で働かないかい?」と言い、仕事の内容を少し話しました。『ヘルパーが来ない』となげいていないで、自分から学生さん一人ひとりに声をかけていくのは、大切な私の仕事だなとあらためて考えさせられました。

 講義は80分間あり、向谷地先生は時々、私の話したことを黒板に書いてくださいました。優しい配慮だと思いました。最後に一人ひとり感想を聞き、4年生の学生さんばかりだったので就職のことを聞いたところ、「今考え中」だと答える人が多かったです。それを聞いて私は「ぜひ札幌いちご会で働きませんか?」と、目が輝いている人に言いました。講義中も、働いてほしいなと思う学生さんと時々視線を合わせていました。わかってくださったかな?一人でも来てくだされば嬉しいです。お赤飯を炊いてパーティーをしなければいけません。

 やはりもっともっと福祉関係の大学へ行き、ヘルパーさんをやってくださる方を口説きに行かなければいけないと思います。これからのヘルパーは生活の介助だけでなく、働くケアもできるシステムにしていかないといけないと思いました。障がい者ができることを一生懸命やっている姿を見て、ヘルパーさんもハッと気づき「私も一生懸命やらなくちゃ」と思えるような環境を、つくっていかなければなりません。

 心にある思いをお互いにキャッチボールして仕事をやることは、ヘルパー制度を大きく変えていくと思います。寝たきりの障がい者もほほえむことで、その笑顔を見た一般の人はほほえみ返しをします。それが、寝たきりになった彼らにしかできない仕事だと思います。どんな人だって社会を変えていく仕事ができるんだよ、ということを私たちは深く伝えていき、ヘルパーの人口を増やしていかなければなりません。

 国の行政的にもがんばってほしいですが、ケアを受ける本人たちも目で、言葉で、人を惹きつけることをやらなければなりません。生きることはまさに毎日の挑戦であり、賭けなのです。

 向谷地先生の「札幌いちご会のヘルパーさんを探してあげるよ」と言ってくださった言葉を信じて、また来年も講義に行けることを私は願っています。

 

向谷地先生の部屋で出会った、笑顔の可愛い学生さんです。彼女を私は最後まで口説きました。この人は体にも心にも力があるのではないかと思いました。障がい者と触れ合って、その中で自分の将来を決めていってほしいと強く思いました。来てくださる時をお待ちしております。このほほえみを一生忘れないでね。

向谷地先生が私の話したことをわかりやすく黒板に書いてくださっていました。先生は『べてるの家』をつくった人です。先生とは学生の時からの知り合いで、いつも空を見ながらギターを弾いていました。私は遠くから(なにを考えているのかな?)と気になっていました。北海道でこんなにでっかいことをやる人だと思いませんでした。知り合った時からお互いに尊敬し合えたことは嬉しいことです。

このような小さな講義が一番いいですね。表情が良く見えて、考えている顔や微笑んでいる顔が見えて、楽しかったです。このような人たちがこれからの日本の福祉をつくっていけたら、どんなに頼もしいだろうと思えました。期待していますよー♡