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ありのままの姿をみせること

 2008年に悪性リンパガンにかかってしまい、そこで医師との戦いがあったが、お互いに歩み寄って理解し合うことを学んだ。7か月の入院はつらいものであったが、秘書の女性がいつも私に寄り添ってくださり、笑わせてくれた。彼女は2年間で秘書を卒業し、結婚して出産している。本当は私の息子と結婚させたいくらいであったが、彼氏を連れてきたとき(これは負けた)と思い、諦めた。背が高くてイケメン俳優のような人であった。今になって、これでよかったのだということを理解している。

 彼女は秘書を辞めた後も、年に1度か2度遊びに来てくれる。私の悩みをよく聞いてくれる。どちらが若いかわからないほど、彼女はよく相手の心を読む人だ。息子さんが2人おり、上の子は『波音(なおと)』くんという。波の音とは、なんと良い名前だろう。

 先日も彼女は遊びに来てくださり、波音くんもいた。5歳になった波音くんは、今の記憶が大人になってもちゃんと残るだろうと思い、なにか見せたいと思った。そこでカテーテルの袋におしっこが溜まったので、ヘルパーさんとトイレへ行きおしっこを捨てるところを、波音くんに見せた。「おばちゃんはね、お腹が病気になって、こういうものをつけたの。おしっこが入っているのよ」と言うと、波音くんはびっくりした顔をして目を丸くしてじーっと見ていた。おしっこがジョロジョロと流れていく音も聞いていた。

 こんな汚いことを見せるものではない、と言う人がいると思うが、でも人間として生きるためには、このようなこともあるのだということを、私は彼に伝えたかったのだ。もしかして彼の記憶にこのことが残ったなら、医療の道にいくかもしれない。ヘルパーになってくれるかもしれない。子供のうちに生き方を伝えるということが、大切なのだと思う。こういうことは保育園や学校では絶対に教えてくれない。

 波音くんはすぐに私の若いヘルパーさんと仲良くなり、遊び始めた。(5歳なので、やはり23歳の若いヘルパーさんのほうが好きか!)と思った。こういう1日を過ごせたことに感謝をした。(来年はお年玉をあげなきゃな、なにか一緒に食べたいな)と思っている。波音くんは、私の孫のように思っている。大切な1日だった。

 

 食べちゃいたいくらい可愛い波音くんです。大きくなっても来てくれるかしらね。