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安心して暮らせる日まで

 ヘルパーさんに来ていただける時間が増えたので、お赤飯でも炊いてお祝いしたいと思っていました。しかしあまり自分の幸福におぼれることは良くないような気がしていました。ヘルパーさん達は「よかったね」と喜んでくださいますが、まだまだ喜べない仲間たちがいるからです。そして時間数が増えたからと言って、ヘルパーさんの人数が増えていないという現実があります。休みたい日にヘルパーさんをどのようにして確保していくのかが課題です。

 来年度から札幌いちご会のヘルパーさんの正社員が2人増えることになりました。宝くじに当たるより嬉しいことです。若くてかわいい人たちです。その人たちにどう働いていただくかを、これから考えなくてはいけません。今札幌いちご会がヘルパーを派遣しているところをもっと充実させていくのか、それとも困っている人のところに派遣していくのかが、頭の痛い話です。

 私が思春期のとき、母が寝込んだり死んでしまったときにはどうして生きていこうかと、真剣に悩んだものです。ただ施設に送られたなら生きていけます。でも心は死んでしまいます。だからこそ私は、自由に生きたいからこそ札幌いちご会をおこなっていかなければなりませんでした。心を豊かにして生きていくことが、私たちの仕事です。

 一人のヘルパーさんに「私、60代のうちにもう一度恋をしたいわ。もしも奇跡が起きてパートナーが見つかったときには、ヘルパーさん、彼にケアを教えてくださる?」と言ったとき、ヘルパーさんは「わぁすごい!小山内さん、すぐにしてあげるわよ!トイレの仕方もお風呂の入れ方もストレッチ体操もね。」と言ってくださった。私は100%冗談話をしたつもりでしたが、ヘルパーさんは真剣に答えてくださったので、それが嬉しくて目頭が熱くなりました。ヘルパーさんは「小山内さん、死ぬまで女よ。」と笑って言いました。奇跡が起きますように、と心の中で祈りました。

 私が生きるための時間をすべて手に入れたとしても、この運動は永遠に続けなければいけないと思う。いつ政治が変わり予算が変わるか、わからない。自分の思いが叶うたびに、私はちょっと恐ろしくなります。幸せにおぼれたいけど、おぼれてはいけないと言う自分がいます。今は、来年ヘルパーさん2人と一緒に3人で温泉に行くのが夢です。リフトのついた温泉があるからです。そこに行き、ゆっくりと過ごしたいです。その日が、時間数が増えたお祝いなのかもしれません。

 無邪気に「良かった、良かった。これからは安心して生きていける。」と思いますが、もうそんなに若くはないんだなとも思いました。でも42年間がんばってきた成果が今実ってきたのです。ヘルパーさんが足りない、時間数が足りないと悩んでいる方、一緒にがんばりましょう。連絡くださいね。