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日本髪を結っていただいた日

 1977年1月15日は札幌いちご会の設立日です。明日はいちご会の44年目の誕生日です。よくやってきたなぁと自分でもあきれ返ります。いちご会の財産は年表だけと言っても過言ではありません。

 昨日は成人式であり、成人した人がきらびやかな着物姿やおしゃれなスーツ姿で歩いているのを見ると、心が踊ります。(私の成人式はどうだったかな?)と振り返ってみると、(そうだ。)と母がきれいな着物を買ってくれたことを思い出しました。

 いとこに同じ歳の人が3人もいて、「一緒に成人式に行こう!」と盛り上がっていました。「私はみっちゃんの手を持つから、あなたは振袖を持って。あなたはバッグを持って。」と、歩く練習をしたものです。私は成人式で、やっと障がいのない人と一緒に式典に参加できることが嬉しく思えたのです。子どもの頃は障がい児施設や養護学校などと、いつも分けられていたからです。(もう分けられることはまっぴらごめんだ。)と思っていました。

 しかし母は悲しそうな表情をして「みちこ、障がいのある子の成人式は別の場所なんですって。だからいとことは行けないのよ。」と言い、涙をこぼしていました。「母さん、そんなことおかしいよ!成人式まで分けられるの?どうしてなのよ!私は親切ないとこがいて、一緒に行ってくれるというのに、なんで別なのよ!」と、母に当たってもしょうがないと思いながらも言ってしまいました。母は顔をふせて「みちこ、残念だね。社会はどこまでいっても障がいのある人を分けるんだよね。」と言って泣いていました。あまりに母が泣くので、私は母に罪はないのだなと思い、「母さんゴメン!母さんは悪くないよ。子供のようにちょっと駄々をこねてしまったのよ、ごめんなさい。」と言って、母が買ってくれた着物を足でつまんで、「こんなきれいな着物、あったんだね。母さん着せてね。成人式には行けないけれど、いとこ達と遊ぶよ。」と言いました。

 そしていつも行っている近くの美容室のおばさんが、その話を聞いてくれて、「みちこちゃん、おばさん、みちこちゃんのために日本髪を結ってあげるよ。その髪ででかけるといいよ。写真館に行って写真をいっぱい撮ってくるといいよ。」と言ってくれました。そのおばさんは私の長い髪をきれいに日本髪にしてくださいました。自分の髪で日本髪を結えるくらい、私の髪は長かったのです。私は遅く小学校に入学していたので、2年間学年が遅れていました。高校を卒業したときは20歳でした。その経験の中から、やはりこの間違ったことを変えていかなくちゃいけない、と強く思ったのです。

 私より若い障がい者たちは、障がいの有無にかかわらず同じ場所で成人式をおこなうべきだと思います。しかし未だに障がいをもった人の成人式があるといいます。なんと悲しいことでしょうか。美しく輝いている着物姿の女性たちを見て、(あと何年経ったら、車いすに乗った人も歩ける人と同じ成人式に参加できるのだろうか。)と考えました。

 誰が決めているのでしょうか。社会でしょうか、親でしょうか。誰か答えてほしいです。でも私が成人式に行かなかったおかげで、札幌いちご会は44年目を迎えているのかもしれません。決して44年間は楽しいことばかりではありませんでした。苦しさから逃れるために、札幌いちご会をやるしかなかったのです。

 うちの息子は普通の成人式に行きました。孫も行くのでしょう。戦争のない世界になり、若者がキラキラして歩ける日がくるでしょうか。ばあちゃんになった私はわびしく思います。

 

 

札幌いちご会44才!!おめでとうございます。

 朝日新聞にやまゆり園事件についての連載が載っていたのですが、その1/8だかの記事の中で「重度障害者が自ら介護者を選び、事業者を通さず直接契約できるパーソナルアシスタンス制度」を紹介していました。その制度をネットで見ると課題はありそうですが、それでも札幌独自の取り組みのようなので、きっと小山内さんたちの始めた「札幌いちご会」も関わってできた制度ではないかしらと想像しました。
 44年間もの長きにわたって本当に大変でしたでしょうね。「札幌いちご会」、大粒のしかも沢山の苺になっているのではないでしょうか。(関係ないけど私は果物の中で「いちご」が一番好きです。)

甘くないいちごです。

あかねさん

コメントありがとうございます。44才、よくやってきたなと自分でもあきれかえります。なぜいちご会をやってきたかというと、自分の思うとおりに生きたかったからです。パーソナルアシスタンスという制度は、ヘルパーの資格がなくてもケアができることがメリットです。便利の良いところもありますが、膨大な書類やアシスタント探しや一ヶ月のシフト作りを、全てケアを受ける本人がおこなわなくてはいけません。メリットとデメリットは大きくあります。パーソナルアシスタンス制度については、書ききれません。朝日新聞の記事を読んでみます。

いちご会は食べるいちごの意味ではありません。1月15日に始めたので1と5を文字って「いちご会」と名付けました。