生活の手錠は自分で外すことをしてください
- 札幌いちご会 事務局
- 3月21日
- 読了時間: 3分
NPO法人札幌いちご会理事長 小山内 美智子
<いちご通信223号より抜粋>
ちょっと遅れた明けましておめでとうございます。
2024年、札幌いちご会には新しいヘルパーの男性が多く入社してくれて大変喜ばしいことだったのだが、異性によるケアを受ける女性にとっては大変なトレーニングの年であった。
日本のヘルパー制度は同性介助を求める人が多く、男性が女性のケアを全て行うことは、なかなか高いハードルだ。
異性介助を断っていては生きていけない。段々行っていくうちに信頼関係が生まれ、仕事として受け入れられるようになってきた。
ヨーロッパやアメリカでは、50年前頃から在宅の介護は当たり前のように受け入れられてきた。何が違うのかは、はっきりとした答えはないが、やはり子どもの時から障がいのない人たちと一緒に障がい児が過ごしている事が大切なことであり、また教育の中で性教育をしっかりおこなっている。
慢性的ヘルパー不足だったが、定着し働いて下さる方もおり将来が楽しみだ。もっと障がい者がヘルパーに、ケアのやり方についてYESかNOをはっきり伝えていくことが重要だと思う。
自立生活を始めた筋ジスの方たちは、ベッドの上でPCの仕事をして生活費を得られるようになった。大変喜ばしいことであるが、家に閉じこもってPCだけ眺めているのは社会の環境を変えられないのではないか?と思う。
隣近所の人達と友達になったり、バリアフリーチェックをおこなったり、街中で遊んで歩いて障がい者の姿を大勢の人に見せて歩くことが、何よりも大切な仕事だと思う。そのことに少しずつ気付いていってほしい。
ヘルパーは絶対に施設の職員の様になってはいけない!と思う。
障がい者の生活は“自分で決める”ことが第一であり、ヘルパーが決めてはいけない。
私は『みっちのトッコラ旅』という本を書きあげ、少しでも多く売り、障がい者が住みやすいアパート造りに努力していく。
世界で戦争が起こり物価が上がり、アパート建設は大変困難だと思う。
困難だからこそ言い続けなければ、結局またボロボロなアパートで暮らし風邪をひいて死んでしまう仲間達が増えていく。同じ間違えを繰り返すのか!
私も6月になれば72歳になり、長生きすることに喜びを感じる。長生きできたなぁっと皆さんに心の手を合わせて感謝しなければいけない。
ケアの時間が増えた!からといって喜んではいられない。
まだまだ親に縛られ施設に閉じこもっている人がたくさん居る。その心の手錠を誰が外していくのかが大切だ。
誰かが外してあげても外し方がわからないで終わってしまうと、また手錠をかけられる。
自分の心を強くし、私たち自身、度胸と愛嬌を出し自分の心の足で歩かなければ、真の地域生活とは言えない。

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