<いちご通信222号(2024年10月号)より抜粋>
執筆者:永島 勝章(ながしま かつあき)
5月に急きょ東京に行く用事が決まったのは、1月中旬の事。
せっかく東京に行くのなら観光もしようと思い、
格安の旅行パックをネットで見つけ、とりあえず飛行機とホテルをおさえた。
グーグルマップとにらめっこをして行きたい所を決めていったが、
調べるほど乗り換えの方法がたくさんあり過ぎて不安になり
「旅行行程アプリないかな~」と携帯で探すと見つかった。
早速アプリに行きたい所を入力すると、
自動的に交通手段とかかる時間が表示され
「千歳空港は車椅子を預けるのに1時間みとくか~」と独り言をつぶやき、
行き先を積み木のように入れ替えながら旅行行程を立てていった。
「本当に一人で行けるのかな~」と不安であったが、
ゴールデンウィーク明けにヘルパーさんが
「ひょっとしたら私ついていけるかもしれない!ちょっと調べてみるね」
と色々と動いてくださって、
同行していただく事となり一安心した。
朝8時に家を出て地下鉄とJRに乗り継ぎ千歳空港に向かった。
「永島さん出発する時間早すぎないかい?」とヘルパーさんに言われたが、
案の定、空港での車椅子の預かりは、
車椅子のサイズから重さ、バッテリーの種類等も聞かれて、
車椅子のクッションなどの車椅子から取れる部品は壊れないようにプチプチに巻かれて、
一つ一つ紙袋に詰めていく。
空港専用の車椅子に乗り換えてからバッテリーを取り、
絶縁をしてからバッテリーを預けて、
ようやく私の車椅子の電動から手動に切り替える方法を空港の方に説明をして、
やっと出発口へと向かう。
以前、空港で電動車椅子を預けるのに時間がかかり、
飛行機が飛び立つ前に定刻より出発が遅れたお詫びのアナウンスが流れた時は
「あっ!俺のせいだな」と思った事は今でも覚えている。
食通のヘルパーさんなので
「羽田空港に着いたらロールキャベツだわ!」
と美味しいお店を教えていただいて、
スカイツリーと浅草に行った後に、
夕食をかねて新橋で呑んで帰ろうと思ったが、
どこのお店も混んでいたり段差があったりして入れず
「オジサンの街はバリアフリーじゃないな~」
と話しつつ、
コンビニで夕食を買ってホテルで済ませた。
2日目は知り合いの障害者の方々とあって、
近況報告を互いに話し「僕もめっきり体が動けなくなって」と話すと
「脳性まひは40歳代後半から衰え始めるから、永島君はごく普通だよ」
と笑いあい、
6~7年ぶりの再会で色んな話が出来有意義な時間であった。
夜は裏参道で回転寿司を食べようと、
駅前の20秒位で赤に変わる信号機を命をかけて電動車いすで必死に渡りきり、
洒落たお店を見ながら無事にたどり着くとお客さんが並んでいて1時間待ちであった。
外で並んでも食べて良かったと思うぐらい美味しかったが、
裏参道はおじさん二人で行く所ではないと感じた。
札幌と違ってエレベーターがわかりにくい所が多くて、
エレベーター探しに時間を費やし2日間ともホテルに着いたのは21時位でクタクタでしたが、
いい思い出となった。
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